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白い蒸気が立ち上る八丁原発電所=2024年5月10日、大分県九重町

 九州電力が、再生可能エネルギーを電源の柱にする「主力電源化」に動き出した。再エネを子会社の九電みらいエナジーにまとめ、販売ルートを開拓して事業の拡大をめざす。ただ、再エネの拡大には課題も多く、九電の本気度が問われている。(松本真弥)

 5月上旬、大分県九重町。山中の道路沿いに立つ温泉宿の看板をいくつも通り過ぎると、白い蒸気をもくもくと吹く施設が見えてきた。敷地内に入ると硫黄のにおいが漂う。

 この施設は、八丁原(はっちょうばる)発電所で、国内最大の地熱発電所になる。1、2号機合わせた出力が11万キロワットに上る。

 地熱発電は、地下のマグマに温められて発生した蒸気を取り出し、タービンを回すことで発電する。昼夜・天候を問わず、出力は安定している。蒸気と一緒にくみ上げる熱水を地下に戻すなどして、「半永久的」に発電が可能という。

写真・図版
八丁原発電所で地下の蒸気を取り出すための井戸=2024年5月10日、大分県九重町

 永浜順浩所長は、原子力などの電源に比べて地熱の出力は小さいが、「(石炭のような)燃料が不要で、為替や燃料の市況にも影響を受けない。一度造ってしまえば、安価に出力を保つことができる」と利点を説明する。

 こうした地熱発電所などの再生可能エネルギー事業について、九電は一本化を進めている。

再エネ事業を一本化へ 国内トップクラスの規模

 4月には、八丁原も含め5カ…

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